「ご無事(ごぶじ)」は、日本語に古くからある美しい言葉です。「無事」とは「事が無い」、つまり「特別な変事がない、平穏である」という意味。「ご」をつけて尊敬語にすることで、相手の安全や平穏を願う気持ちが込められた表現になります。
例えば、長旅から帰ってきた人に「ご無事で何よりです」と声をかける。震災や事故の後に「ご家族はご無事でしたか」と気遣う。普段の生活では使う頻度が減った言葉ですが、「相手を気遣う優しさ」が凝縮された日本語のひとつです。
アプリ名を考える時、私たちは「このアプリの本質を、最も短く、最も美しく表す言葉は何か」を考えました。技術的な機能を並べた名前ではなく、使う人の気持ちに寄り添う言葉を選びたかった。
そして辿り着いたのが「ご無事」でした。
アプリの目的は、機能的に言えば「定期的なチェックインによる安否確認」です。けれど、その本質は「大切な人の無事を願う気持ち」を、毎日の習慣として続けられる形にすることでした。
「ご無事ですか?」という問いかけは、相手を心配し、平穏を願う気持ちの表現です。アプリを開いて気分を記録し、見守り人にそれを届ける行為は、まさに「ご無事です」という返事を毎日伝えることに他なりません。
日本語には「安否(あんぴ)」という似た言葉もあります。「安否確認アプリ」というカテゴリで、GOBUJIも分類されることがあります。
「安否」は、文字通り「安全か、否か」を確認する、やや形式的なニュアンスがあります。災害時の安否確認、緊急連絡網での安否確認、といった文脈でよく使われます。
一方「無事」は、もっと日常的で温かい言葉です。「ご無事で何より」と言うとき、そこには相手への気遣いや、再会の喜びがにじみます。
GOBUJIは、緊急時の安否確認システムというよりも、日常の中で「あなたが今日も無事でいてくれて嬉しい」を伝え合う、温かい仕組みでありたい。だから「安否」ではなく「無事」を選びました。
私の母は東京で一人暮らしをしていて、私は海外で暮らしています。息子もまた海外で一人暮らしを始めました。それぞれ違う場所で、違う時間の中で生活しているので、電話やメッセージのタイミングがなかなか合いません。
それに、私たちはLINEやSNSは使いません。既読がつくと、どうしても返さなければいけない気持ちになってしまうし、忙しいときほどそれが少し負担に感じます。広告や追跡があるサービスを、できるだけ使いたくないですし、特に母には、SNS絡みの迷惑電話や迷惑メールなどに巻き込まれないようにしてあげたいと思っています。
離れているからこそ、家族のことは気になります。母は今日も無事だろうか、息子はちゃんと食べているだろうか。2、3日連絡がないと、「大丈夫かな」と心配になることがあります。
GOBUJIはそのために作りました。1日1回、タップするだけです。電話するほどではない時や、忙しくてメッセージのやり取りができない時でも、ただ「無事だよ」と分かれば、それでいい。
時差があっても、忙しくても、お互いの「今日も無事」が静かに伝わる。それだけで、十分だと思っています。
GOBUJIは完全無料で、広告もありません。登録も必要なく、安心して使えるアプリです。
GOBUJIは広告も課金もなく、永久無料で提供しています。理由はシンプルで、「お金を取る理由がないから」です。
見守りや安否確認は、誰かが亡くなることを防ぐ、極めて公共性の高い行為です。月額1,000円や2,000円が払えないから利用を諦める、ということが起きてほしくない。特に高齢者や学生など、経済的に余裕がない方にこそ、こうしたツールは必要です。
広告を入れれば収益化はできます。データを売れば、もっと利益は出るかもしれません。けれど、それをやると、アプリの本質が変わってしまう。GOBUJIは、使う人の安心と尊厳を守るための道具であり続けたい。
だから、無料です。広告もありません。データも売りません。Snowcha Design LLCが個人で運営する小さなアプリですが、その小ささが、逆に安心の根拠であってほしいと願っています。
GOBUJIでは、見守る側の人のことを「見守り人(みまもりにん)」と呼んでいます。当初は「天使(エンジェル)」という言葉も検討しました。けれど、日本語の文脈では「天使」はキリスト教的なニュアンスを持ち、特に高齢の方にとっては馴染みにくい場合があります。
「見守り人」は、日本語の「見守り」という温かい行為を表す言葉から生まれた、自然で親しみやすい表現です。誰かを「見守る」気持ちは、宗教や文化を超えて共通する人間的な行為。それをそのまま言葉にしました。
GOBUJIは、まだ始まったばかりのアプリです。これから機能の改善、Android版のリリース、コミュニティ機能の検討など、進化を続けていきます。けれど、根本にある「ご無事」の精神だけは、変えるつもりがありません。
使う方からのフィードバックを大切にしながら、できるだけ多くの方の「毎日の無事」を支えるアプリでありたい。それが、私たちの願いです。